不動産購入時に気をつけることー⑤土砂災害

地震の次は、土砂災害です。

土砂災害は次の3つに分類されます。

1.急傾斜地の崩壊(がけ崩れ)

2.土石流

3.地すべり

この中で3.地すべりは事前に兆候が現れ比較的緩やかに進行することから、

生命への危険度は小さいと言われております。

(※1985年の長野市の地附山災害のような死者26名のような事例もあるので、

必ずしも緩やかとは言えません)

急傾斜地の崩壊は、「がけ」が「崩れる」という現象ですから、

一般の方でもイメージしやすいと思います。

都道府県が定める「急傾斜地崩壊危険地域」では斜面30度以上、高さ5m以上の人家や、

公共施設に被害を及ぼすおそれのある急傾斜地およびその近接地を定めることになっていますが、

急な斜面の下や直上はなんとなく危険な感覚は伝わるかなと思います。

一方土石流は、その昔鉄砲水という名前がつけられていましたが、一般的なイメージでは、

渓流が急に増水して石や流木ごと氾濫する、というイメージになっているかもしれません。

ところが実際は川沿いではなくても土石流が起こりやすい地形は存在して、

今年の広島の事例のように、あっという間に強烈な運動量で家ごと流されます。

土石流の起こりやすい土地は素人の感覚ではわかりません。

よって、こちらは行政が指定した場所を必ず目を通しておき、理解しておく必要があります。

 


土砂災害が起こる可能性のあるエリアとして、「土砂災害危険箇所」が定められています。

・急傾斜地崩壊危険区域

・土石流危険区域

・地すべり危険区域

また土砂災害防止法に基づいて、

・土砂災害警戒区域

・土砂災害特別警戒区域

が定められ、また今後定められようとしております。この土砂災害警戒区域に定められているかどうかは、

宅建業法の重要事項説明の説明義務になりますので、

これから土地建物を買う方は必ず知ることにはなっています。

又その他にも、砂防指定地、地すべり防止区域、急傾斜地崩壊危険区域という工事を行う予定の地域、

山地災害危険区域という森林を定めた区域も存在しています。

個人的にはとてもわかりにくい(指定の目的が違うのはわかりますが)ので、

全て土砂災害警戒区域、特別警戒区域にまとめて欲しいと思いますが、

わかりにくいので土砂災害の危険区域だけを注目する必要はありません。

市町村のハザードマップを確認すれば基本的に全て載っていますので、

ハザードマップを手に入れましょう。国交省のサイトからも見ることができます。

国土交通省ハザードマップポータルサイト  https://disaportal.gsi.go.jp/

例えば弊社がある大阪市福島区の津波の浸水深のマップです。

浸水想定が1m以上2m未満の地域であることがわかります。土砂災害、浸水害、津波と3つの情報が見れます。

 

 


私は以前の会社で土砂災害警戒区域、土砂災害特別警戒区域の区域を定める業務についていたことがあります。

この区域の指定はマニュアルに従って機械的に定めます。(3次元の地図を使って)

特別警戒区域内は、レッドゾーンと言われますが、簡単に言うと「家が流されます。押しつぶされます。」

警戒区域内は、イエローゾーンと言われますが、簡単に言うと「家の中に土砂が入ってきます。」

と捉え方で言い過ぎではないでしょう。つまり建物は駄目になる可能性が高いのです。

あとは土砂災害警戒情報に基づき避難を行うことが命を守る行動につながります。


では不動産購入時の視点として、土砂災害警戒区域と特別警戒区域はどう判断するべきか。

特別警戒区域は法律で対策を取らなければ開発できないと定めれられています。

警戒区域は特に定められていませんので判断は個人の判断になります。

基本的に土砂災害危険箇所は全て避けるべきです。ただ、狭い日本の国土上、

その場所を選ばざるを得ない場所もあるかと思います。

それでもまず次は避けましょう。

・特別警戒区域に近い警戒区域内

・土石流の氾濫地域に近い警戒区域内で家の全てが収まっている

 

 

 

 

そして建築士と相談して、床上を上げるとか、上流側に対策工を打つとか、窓の位置を考慮するとか、

2階を就寝場所とするようにするとか、ちょっとした対策が違いをわけることになります。

 


日本にいる以上、地震、台風、土砂災害は避けられないのですが、

過去まだ同時発生(近い発生)は無いと思います。

大規模地震のあと、大雨→土砂災害。

大雨が降り続いているその時に大規模地震。

このコンボは普通にありえます。その時どちらか片方だけなら崩れない、水が来ない場所でも、

コンボにより尋常な被害が出ることは十分想定されます。

そこまでのリスクを想定しておくことが、不動産と財産、人命の保護につながると思います。